「オイ、てめぇ!
何言ってんだ…?」


立ち上がり、咥え煙草で谷口を睨み付けた。



『お前が悪いんだ!!』


こちらに向き直った谷口は、俺に向かって声を荒げはじめた。


『お前が居るから、全部悪いんだ!!
ママは、僕だけのものだ!!』


「―――ッ!」


『…お前なんか…居なくなれば良いんだ…!!』


瞬間、谷口がこちらに向かってきた。



―ボコン!

突進してきた谷口の腹に、蹴りを入れた。


勢いがついた谷口は、その反動で後ろに飛ぶ。



「…何言ってんだ、てめぇ?」


見下したように、横たわる谷口に吐き捨てた。



『―――ゲッホ!!
全部お前の所為で…めちゃくちゃなんだよ!!』


「―――ッ!」


瞬間、谷口に殴りかかった。


怒りが込みあがりすぎて、抑え切れなかった。


不思議なもので、人を殴る感覚なんてすぐに思い出す。


拳の痛みが、余計に俺をイラ立たせた。



「てめぇがやったのか?!
アァ?!答えろよ!!」


胸ぐらを掴み、脳震盪を起こしそうなほど揺さぶった。



『マツやめて!!
それ以上やったら死んじゃう!!』


「―――ッ!」


瞬間、後ろから千里に抱きすくめられた。


驚きすぎて、言葉が出ない。