ヤキモチを焼かせてみようと思って、俺は千鶴たちの高校へ行ってみた。

公立高校だけあって、なんだかうちみたいなギスギスした感じがない。


俺もここにすればよかったかな。


そんなことを思いながら、校門前で千鶴が出てくるのを待っていたのはいいが。

……視線ばかり感じて落ち着かない。


どうしてみんな、この制服がそんなに珍しいんだろう。

隣県だけどそんなに遠いわけじゃないし、別にいたって不思議じゃないだろうに。


なんとなく校舎を見上げ、それから千鶴に電話しようと思った時。


「修ちゃん!」

ようやく千鶴が現れた。


勝手に来たくせに、遅せーよと心の中で思わず毒づいてしまう。



「どうしたの? 誰か待ってるの?」

「この学校に知り合いなんて、千鶴と智明しかいないし」


千鶴もコソコソと何か話しながら通り過ぎられて、居心地が悪くなってきたようだ。

帰ろう、と言うと素直に頷いた。



最後にチラっと校舎の方に目をやると、あれは体育館なのか?

大きな建物の入口に智明の姿が見えた。


目を見開いてたかと思えば、俺が見てることに気づくと目を反らして建物の中に入っていった。




──千鶴は、気づいてないみたいだった。