『アキヒロっ…!これ書いて!』 予想を裏切る事もなく、爆睡している彼を急いで叩き起こした。 「…何これ~?」 寝ぼけ眼を擦りながら、用紙を覗いていた。 『明日手術だから。…書いて!判子も押してね。』 「判子!?ないよ~。シャチハタでもいいの?」 『…なわけないじゃん。ちゃんと探して。』 こんな大事な、大事用紙に、シャチハタでいいはずないでしょう。 一つの命の重みを… あたしの悲しさを… アキヒロは分かってなんかいないね。 この紙を持って来た事を…ちょっとも叱ってくれないね。