アキヒロは携帯の液晶の明るさで、あたしの腕の傷を数えていた。 「28…ねぇ?28回、お前を殴っていい?」 何を言ってんだこの男は… でも別に殴られても良かった。それで気がすむんだったら、何回でも殴ってくれ。 死ぬわけじゃない。 『別に、いいよ。好きにして!』 「じゃあ、グーとパーどっちがいい?」 そう言ったかれは、心なしか笑って見えた。