後ろから走ってくるアキヒロ。 あたしも、全力で走った。 『こないでーーーー!!!捕まえないでー!!!!!帰れーーー!!!!!!!』 「クミー!」 まるで、本気の鬼ごっこ。 あたしが履いていたヒールは、雨のせいで、柔らかくなった土にハマり、 あたしは裸足。 でも、今までで一番早く走っていた気がする。 捕まる。捕まる。捕まる捕まる。 一生懸命に振って走っていた手を、ギュッと掴まれた。