「アホらし…」



丸められた手紙を見つめながら小さく呟いた俺は、



「喉乾いたし…下、降りよ。」



前を向き直すと、ドアノブを回し、部屋を後にした。



頭文字S…か…



一体、誰なんだろ…?



まぁ、人のオデコ…いや、髪にガムテープくっけるぐらいだし…



かなり大雑把で、ろくでもねーヤツなのは間違いねーな。



うんうん。



まっ、どーでもいいけど。



そして、何気に頭文字Sの存在を意識しつつ、のんびり階段を降りた俺は、



「かーちゃん。茶、ちょーだいっ!!」



「冷蔵庫。」



「ちっ…ケチババァ…」



「は?」



「あっ…」



冷蔵庫から冷たい麦茶を出すと、それを一気に飲み干した。