―校門前―


あたしはハゲを早く通り過ぎようとした。


早歩きだ。


佳奈も早歩きになっていた

あたしはハゲを通り過ぎた

その時にチラッとハゲを見た。

女子にエンジェルスマイルをばらまいている。


イラッ…

なんか胸辺りがムカムカした。


おかしいぞ…あたし


「悠希ぃ☆ウチ隆生様見たいな☆」


信じらんない。あんなハゲがモテるなんて…


「んっいいよ☆あたしは帰るね」

あんなハゲ見たくもない。

しかし…


「悠希?」

ピクン!!

体が反応した。

あたしは振り返った。

この声は…


「やっぱ悠希だ☆会いにきたよ☆」


はぁ…??

信じらんない。

誰だこいつは?
本当にあのハゲタカ?

みんながあたしを見る。いや…睨むのほうが正しい。

「ハゲ?」

あたしはそう言った。


「そう。あのハゲ☆これから遊びに行こ☆」


「イヤ!!!!!」

するとハゲが近付いてきて耳元で言った。


「遊ばねぇと退学だぞ」


ビクッ!!!!!

そう言えばこいつには最大の弱みが握られていた。


「わかった。遊ぶ。」


またみんながあたしを睨む。

好きで遊びに行くんじゃないやい!!!と叫びたい。


佳奈はボー然とあたしを見ていた。