あたしはローファーを取り出してチラッと校門辺りを見た。

いない。

「諦めないって言ったじゃん」

小声でそう呟いた。


あたしが自分じゃいられなくなる。

あたしがおかしくなる。


「悠希まだぁ?」

佳奈をまた待たせていたみたい(笑)


「ゴメーン佳奈!!!!早く帰ろ」


あたしは今の変な自分を心の奥底の引き出しに閉じ込めた。


佳奈と歩いて校門前にきた。

「あっ!!!悠希ゴメン!!!今日反対方向から帰ります」

「なんでぇ?佳奈いないと寂しい(ノ_・。)」


「今日さおばあちゃんちへ行かないと…親戚がなんか来てて…」


「うぅ…分かった(ノ_・。)」

「ゴメン!!!バイバイ」


今日は一人。

寂しい(TωT)ウルウル
しかしなんか楽だな。

一人も(笑)


あたしが気分よく鼻歌を歌いながら歩いていると…


「悠希!!!」

ビクッ

心の奥底の引き出しが開いた