君に伝えたい











「………っあたし、実は………」







あたしは勇気を振り絞って、良くわからない自分の気持ちを話そうとした。


………その時










「………美咲?」





――ドクンッ――




「………え……?!」



あたしは思わず夏生から離れた。






……久々に聞く懐かしい声。







顔を見なくても、誰だか分かってしまう。




だからあたしは、声の主を見ないように俯いた。





「………ハルキ」






夏生が小さく呟く。







やっぱり……ハルだ。



声を聞いただけで、こんなにも胸がドキドキする。




……どうして?、






あんなに流れていた筈のあたしの涙は、ハルの声を聞いたとたん一気に乾いた。







「………お前ら、何してんだよ……?」






「………………っ」






………どうしよう………あたしのせいだよね?









何か喋ろうとしても、


何を話せばいいのか分からなくて、言葉が詰まってしまう。