□■□■ 夏生 ■□■□
「まぁ、大体は予想つくけどな………」
毎日、毎日、お前の事ばかり見てきたんだ。
あの日に何があったのか、嫌でもそれくらい分かる。
どうせ、ハルキ絡みだろ?
俺はずっとずっと、美咲の事を見てきたけど、
美咲の見ていた相手は、俺じゃなくてハルキなんだもんな。
そして、
美咲は、自分がハルキの事を見てるって気付いてないんだろうけど。(無意識に見てんだろな~……)
それ以前に、ハルキもお前の事見てるんだ……。
………………いつか、美咲はハルキと付き合ったりすんのかと思ってた……
俺なんか気にも止めないで……、
どんどん離れてくって思ってた。
でも………………、
「あ……、うん。待ってるね」
“待ってるね”
この言葉を、俺に言ってくれるのが。
俺が見ると、見つめ返してくれるのが、
嬉しくて、嬉しくて……、
俺の事、ちゃんと見てくれてるんだ。
って思った
だから俺は、美咲に笑顔を見せてから裏庭を出てきた。
「ガタンッ!!」
自動販売機から、あいつの大好きなミルクティーが落ちてきた。
………あいつが好きなのは、俺も好きだ。
だから、ハルキの事も大好きだけど………
「ハルキが居なくなったら、美咲は俺の事見てくるんだな。」
不謹慎にも、少しだけ幸せ。
寂しげな表情が苦しいけど、
時々見える笑顔に救われる。
と言うか嬉しい、
ほんと、大好きだよ
………………それから裏庭に戻ったら、美咲の前に一人の男がいた。
誰………………!?


