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「ん」







帰り際に突然、手渡された小さな指輪。




「え?何コレ」







ちっちゃなリボンがほどこしてある、
可愛らしい指輪……







「………誕生日だろ?」




もしかして、さっきお店に行ったのはこれを買うため?




あたしを見て可愛く微笑むハル。







「……………」







そしてさっきから無言の夏生。







何なんだよ……………



あたし何かしたっけ?







「………ありがとう。」







夏生の事を気にしながらも、指輪を貰えたことが嬉しくてたまらない。







「ん…、じゃあ俺、こっち方面だから。」







照れ隠しをするかのように、家へと一直線に帰って行くハル。











「………美咲。」







夏生がようやく口を開いたのは、ハルが曲がり角を曲がって見えなくなった所だった。