君に伝えたい





「……美咲!。」



「え、あ……」




いつの間にか

ドアの所に立っていたハルに気を取られて、撮影を止めていた。





あたしなにしてんの……




「大丈夫?」


「はい……すみません。」


「じゃぁもう一度。はいこっち向いて~」






優斗さんが見てるっていうのに……駄目なところみせちゃいけないよね






隅っこの方ではハルを気にしてたけど、きちんと撮影をやり遂げた





「はいオッケー。今日はここまでね~」


「はい!ありがとうございました!」






終わった瞬間にすぐドアの方を見た





「あれ……」




もう行っちゃったのか……




「お疲れ美咲。」



「あ、はい………………あれ、優斗さんは?」



「ついさっき用事があるとかで帰ったわ『とても良かった』だって」



「え!やった!!」





優斗さんに認められた……。





嬉しい。嬉しいんだけど……




あたし

ハルに、無性に会いたくなってるみたい






ねぇ、「好き」を君に伝えるために、どれだけの勇気が必要なんだろう






きっと、
凄く、凄く、凄く、恥ずかしくて…不安で…




かなりの壁が、あたしと君にはあるんだろうな