君に伝えたい








「あ、美咲。早くしろよ!」



「すみません!お願いします!」





駆け足でスタジオに向かって、直ぐに着替えて撮影が始まった




結構動くみたいだし、



緊張するな………………





「ん~…ちょっと固いな…あのさ、向こうから好きな人が歩いてくると思いながらやってみて?」





そう言って、カメラマンが何気なくドアの方を指差した







「………………」



「お、いいね~!」




――――パシャッ!









…………やっぱり駄目。






『どうして?』




としか言えないよ…………







そりゃ、 芸能人だし…居るのは当たり前




でも、




貴方に会えた事が。
奇跡みたいな大きな事に感じるの






もう。奇跡以外はあり得ないってくらいさ?






「じゃぁ次はこっち向いて~」



「………………」



「…美咲ちゃーん?。」







ハルの瞳が。真っ直ぐに見ているのが、あたしだなんて……






嬉しくて、嬉しくて、




あたしを見てくれた君が。愛しくて、懐かしくて