君に伝えたい





ハル





美咲の声を聞いた。



美咲がすぐ目の前にいた。



それだけで、俺の世界が色づいた。



それだけで、世界で一番幸せだって思えた。





「………。」


「………。」



でも、今さら馴れ馴れしく話し掛ける訳にはいかない。



『さよなら』先にそう告げたのは、俺だ。



美咲は泣いていたんだ。

なのに無理矢理な理由で別れた。



モデル何て……俺に出来るわけ無いだろ?。



俺は来る場所を間違えた…。

今だって特別審査員をやらされてるけどさ?。



俺、特別でもなんでもない。





マネージャーさんにも、『今のアンタがカメラの前に立つ資格は無いよ。』つって…まだ家に置かれてる。




けど『勉強はちゃんとしなきゃね』って事でこういう仕事には出させてもらった。




目の前にいる美咲のは、複雑な雰囲気を出していた。




“悲しい”



“苦しい”



“嬉しい”





そんな顔だ



笑いたい、けど…笑えない………。




泣きたい…でも、泣けない。



どうすればいいのか分からないんだと思う。