「そんな…。じゃぁ、あたしだけ受かったの!?」
「ああ、ホントはここに来るのお前だけでも良かったんだけど…てか、実際来たくなかったんだけど…。勝手に応募したのは俺だし、ホントの事みせられただけだ。」
…夏生っ。
「…歌上手いのに…」
「お前とは比べもんになんねぇけどな、……じゃ、俺帰る。」
え!?
一緒に居てくれないの!!?
「夏生っ待ってよ!」
「…自分勝手で悪い…。でも、」
そこでこっちを振り返った夏生。
「………俺、ここに居るの辛い…。」
そう言って辛そうに、ホント辛そうに笑った。
それはTVで見たハルの笑顔に似ていて…。
「……ごめん。あたしがんばる…。」
ハルの事。思い出してしまった。
今、隣にいてほしい。
一緒に居てほしい。
そう思ったのは、他でもない。
もう居ないハルだった。


