少女のヴァンパイア


リーフはもう一度少女の方をむき、

同じ事を聞いた。

少女は笑顔で答えた。

「ここから怖いものを感じたの。
誰かが苦しんでいるの。
"操り人形じゃない。"
"ここから逃げたい。"
っていうの。
わたしは、大丈夫だよ。
っていうとその子は、
"早く来て"っていったの。」

少女は悲しそうな顔をした。

「それでここにきたの?」

リーフが聞くと、

少女は頷く。

「そうか…いっておあげ。」

リーフが言うと、

少女は笑顔になり、

もっと深い闇へと走っていった。

「大丈夫なんですか?
あんな子供で。」

フランが聞くと、

リーフは「大丈夫だよ。」

といって、

キルギスを抱き寄せた。

「あの子は…特別だからね。」

リーフは、

あいまいな感じの笑顔を浮かべ、

少女の行った方を見ていた。

「私たちが、あの子を連れてくる必要がなかったわね?」

キルギスがいたずらの笑みをこめていった。

リーフはそんなキルギスに笑顔をむける。

「そのとおりだね。
あの子は強い。」

なんせ…とリーフは言おうとしたが、

その先は言わなかった。