少女のヴァンパイア


フランは、

少女を見て驚いた。

この国の大臣たちでさへ、

ここには近寄りたくないと思うのに、

この少女は、

今自分の目の前に立っている。

その姿はとても美しい。

まるでどこかのお伽話にでてくる、

お姫様の様だと、

フランは思った。

「どうしてここにこれたんだい?」

この声は、

リーフの声だ。

さっきまで、

一緒に驚いていたはずのリーフが、

ニコニコとして、

少女に話しかけている。

口ぶりからして、

どうやら知り合いのようだ。

よく考えてみると、

この闇の中、

少女はピンピンしている。

苦しそうな顔もしないで、

逆に笑顔だった。

フランはどうして大丈夫なのか、

聞きたかった。

だが、

今の状況ではきけない。

「あとでゆっくり聞かせてもらいますよ?」

フランは、

小さく言ったが、

リーフには聞こえたみたいだった。

「そうだね。
君にもいわないとね。」

と苦笑いを浮かべた。