少女のヴァンパイア


今度は、

キルギスが言う。

「正直にいうわね?
実は私たち……」

キルギスが言いかけたとき、

地面が割れるような音が響いた。

「ど…どうしたんだ?」

フランが思わずいうと、

キルギスの顔色に、

かすかな焦りの顔が見えた。

「キルギスさん!!
これはいったいどうしたのですか!?」

フランも焦っている。

「参ったわ…」

キルギスは頭をかかえこんだ。

「どうしたんだい?」

リーフが、

妻のキルギスに近寄った。

「あの子を呼べないわ…」

キルギスの顔が白くなっていく。

「どういうこと?」

リーフは妻を困惑状態にしないよう、

優しく聞いている。

「グレン君が、闇に取り込まれかけている…。
今ここで、あの子を呼ぶのは危険だわ。」

「それじゃあしかたないね。
次の方法を考えよう。」

リーフは、

優しくいった。

キルギスはうんとうなずいた。

地鳴りはまだ続いている。