少女のヴァンパイア


しばらく考え込んだキルギスは、

「仕方ないわね。」

と言ってリーフのほうをむいた。

「でしょ?」

「でもやっぱり危険過ぎない?
あの子はまだ子供よ?」

キルギスは不安そうに言ったが、

リーフは"大丈夫だよ"といい、

笑った。

これにはさすがのキルギスも溜め息をついた。

「あの子に賭けて見ましょうか?
意外と行けたりしてね。」

でも、

最後には笑って見せた。

「あの…さっきからおふたりはなにを話しているのですか?」

勿論のことながら、

フランには今のふたりの会話の意味は、

全く分からない。

ふたりは顔を見合わせた。

「やっぱり言わないといけないよね…?」

「当たり前でしょ?
フランは一応この国の王なんだから。」

「だよね?」

リーフは顔をあげ、

咳払いをひとつした。

「あのね、フラン?
僕たち君に隠し事してることがあるんだ。」

「隠し事?」

「そう、隠し事。
君にいいたかったけど…話すことはできないんだ。」

リーフは、

申し訳なさそうにフランをみた。

「でも、そうも言ってられなくなったのよ。」