少女のヴァンパイア


フランは眉をひそめた。

「何故わたしの息子が闇を?」

「ついこの前…私グレン君に会いに行ったのよ。
その頃には、もうグレン君は結構追い詰めていたわ。」

益々眉をひそめるフランは、

納得出来ないようだった。

「少し話していると私はグレン君の中に、別のグレン君がいることがわかったわ。
もうひとりのグレン君は、普段グレン君が押さえている自分…つまり闇の自分ができていたわ。」

キルギスはそこまで言うとまた溜め息をついた。

そしてフランは驚いた顔をしていた。

「闇の自分って…あの人と同じに……?」

フランの顔は、

青白くなり始めた。

「今はまだ大丈夫だけど、このままだとなりかねないでしょうね。」

キルギスは普通の顔をしている。