少女のヴァンパイア


キルギスはまたふふっと笑った。

「グレン君ってそんなに力強いんだね?」

そして、

今までなにも言わなかったリーフが口を挟んだ。

「そうなのよ!!
私もびっくりしちゃった!!」

と言うキルギスはびっくりしているようにはみえない。

「で?それは君には駄目だったと?」

リーフがからかうように言ったが、

キルギスはそれを否定した。

「あら、わたしの力で行こうと思えればいけるけど……」

でも……

とキルギスは付け足した。

「この黒いものって、なにか分かる?」

と2人に聞いた。

2人は顔を見合わせた。

「まぁ…あなたたちなら分からないでしょうね。
これはね…闇…グレン君の闇よ。」

「闇?」

フランは思わず聞き返した。

キルギスはコクリと頷いた。

「グレン君の隠された闇。
それがでてきたのよ。」

そう話す間にも、

闇は濃くなっていく。