少女のヴァンパイア


"俺の名前は好きに呼んでくれていいぜ。
俺はお前。お前は俺なんだからな。"

グレンは、

自分とそっくりな自分を憎らしく思えた。

この姿は、

思った時にいいたいことが言え、

したいことは、

なんでもできたいと願う、

グレンの化身とでも言える姿だった。

"さぁ…選手交代だ。
お前の役目は終わった。"

そして、

グレンはもうひとりの自分に飲み込まれた。

「はははは!!……ついに手に入れた!
これで俺は自由だっ!」

城はどんどん闇に取り込まれていった。

さすがのリーフも少しだけ焦りだした。

「リーフさん…大丈夫なんでしょうかね?」

「…大丈夫だとは思うけど…一応キルギスの様子を見てくるよ。」

そう言ってリーフは、

闇が来ているほうへ軽々と進んでいった。

「まっ…待ってくださいよ!!」

フランもリーフの後をついていった。