少女のヴァンパイア


「フラン様!どうするのですか!!」

大臣のひとりが、

フランの溜め息に気付き、

怒りの声をあげる。

「大臣とあろうものが、これぐらいのことでなにを慌てている。
もっと正気をもて!」

フランがそう言うと、

大臣たちのいた部屋が静かになった。

フランはまた、

溜め息をついて、

生えた白い髭を撫でた。

「お困りのようだね。フラン。」

突然声が聞こえて、

振り向くとそこには、

リーフがいた。

大臣たちは突然リーフがいたことに驚いたが、

フランは驚きはしなかった。

気配を消すことは、

リーフの得意分野だった。

「おや?僕の登場に驚いてくれないのかい?」

リーフがいたずらな笑顔をして言った。

「今さらなにを驚くのですか?」

フランがそう言うと、

リーフは、

「つまんないの~。」

といった。

だが、

すぐに真面目な顔になった。