少女のヴァンパイア


ハンディは震える足を必死に動かして、

グレンの反対方向へ逃げた。

だが、

もう遅かった。

グレンの黒いものが、

ハンディに巻き付いた。

「うわぁ……やめろ!やめてくれ!!」

ハンディは叫んだが、

グレンは笑っていた。

「俺が悪かった!!
許してくれっ!」

ハンディの顔には、

恐怖が描かれていた。

グレンは余計嬉しそうに微笑んだ。

そして、

グレンの黒いものにハンディは取り込まれた。

辺りは静まり返った。

城はグレンの黒いものに飲み込まれていった。

城にいた者は急に倒したりした。

大臣たちは、

「な…なんだこれは…!!」

慌てふためいていた。

だが、

ヴァンパイア王国の王けは、

普通だった。

怯えて黒いものに取り込まれようとしている大臣たちを見て、

ふぅ~っと溜め息をついた。