少女のヴァンパイア


キルギスはそう言うと、

手を離し、

リーフと何処かへ行ってしまった。

グレンは軽く目を見開いていた。

キルギスは何かに気付いていた。

だからグレンにあんなことを言ったのだった。

さすがにその正体はわからないみたいだったが……





その数日―…

父の補佐として、

会議に出席していたグレンは、

大臣たちと少し言い合いになった。

言い合いと言っても、

意見の食い違いで、

グレンが一方的に責められていただけなのだが……

グレンには、

とても憎らしく感じていた。

そんな時にまたあの声が聞こえた。

"壊しちゃえよ。
さっきの大臣たちを懲らしめようぜ?"

大臣たちに怒りを忘れていないグレンは、

「あぁ。もうどうにでもなれ。」

声は、

クスクス笑った。

とても嬉しそうに……