少女のヴァンパイア


彼女はグレンに気付くと、

ニコッと微笑み、

近寄ってきた。

「お久し振りです。
キルギス=ナイトレ様。」

グレンは頭を下げ、

そういった。

彼女はグレンの肩をポンッと叩いた。

「キルギス=ナイトレ様なんて、堅苦しいこと言わないでいいのよ!
キルギスって呼んでって、いつも言っているでしょ?」

キルギスは、

見掛けによらず、

いつも元気にニコニコしていた。

だが、

グレンはそんなキルギスにも表情を変えない。

「いえ。
あなたは、ヴァンパイア元帥…キルギス=ナイトレ様です。」

さすがのキルギスも、

これでは溜め息がでた。

そして、

無表情のグレンの額にキルギスの白い人差し指が、

コツンとあたった。

「本当に、フランの子とは、思えないわ。」