シュリーが目覚めたのは、

まだジャックが屋敷にいる時だった。

「やめて…助けて…」

シュリーはまた震え、

息が苦しくなった。

「嫌…こないで…」

シュリーの瞳は怯えきっていた。

グレンはそんなシュリーを優しく抱き締めた。

「もう大丈夫だ。俺がいる。」

そうグレンが言うとシュリーは少しだけ落ち着いた。

―…やっぱりだ。
グレン様の声聞くと安心する。

「どうかしたのか?」

グレンが優しく耳元で呟く。

普段なら顔を真っ赤にするところだが、

今はそれどころではなかった。

シュリーは震える声で、

震える体を自分の手で押さえながら、

グレンにいった。

「男が…あの男が…消えないんです…
屋敷に…来た人たち…がみんな…あの男に…見えて…
それで…」

グレンはシュリーを抱いている腕を強めた。

「もう大丈夫だ。あの男は俺が必ず殺すから。」

そう言って、

グレンはシュリーの髪を優しく撫でた。