リーフに言われてキルギスは

下を向きながらリベルに聞いた。

「もしバレたらどうするの?」

あまりにも弱々しい声だった。

キルギスの問いにリベルはこたえた。

「その時はヴァンパイア元帥をやめるよ。
そして人間界に住む。
…イオラも一緒に。」

リベルがそう言うと、

キルギスはリベルのほうを向く。

その瞳には涙が溢れていた。

「どうして人間なんかに恋をしたの!?
どうして…『ヴァンパイア元帥をやめる』なんて簡単に言うの!?
私達が今まで苦労してやっと手にした場所なんだよ!?
ここには暖かい部屋があって、食べ物があって…一緒にいてくれる仲間がいる。
もうあんな生活しなくていいんだよ!?
私達…やっと幸せを手に入れたのに!!
これからなのに……!
『ふたりで僕らみたいな子をなくそう』っていったのに!!
あれは嘘だったの!?
私は信じて来たのにっ!」

いつの間にか、

キルギスは立ち上がっていた。

肩で息をし、

ゼイゼイいっている。