「ごめんなさいね?
リーフは心を取られちゃったみたいなの。」
グレンの視線に気付いて、
キルギスが悲しそうにいう。
「心を取られた?」
キルギスは頷く。
「一体なにがあったのですか?
おふたりがそこまで殺られるなんて…」
「グレン君はまだ人間界にいるの?」
グレンの言葉を遮り、
キルギスがグレンに問い掛ける。
グレンは、
一応頷いた。
キルギスは立ち上がり、
グレンのもとへ行く。
そして、
グレンの手を優しく包む。
「お願いがあるの」
そういったキルギスの瞳は
今までにみたことないぐらい真剣だった。
まるで、
目を逸らすなと言う圧力を感じた。
キルギスの透き通った緑色の瞳と目が合う。
グレンはふとシュリーの顔が浮かんだ。
―…シュリーは今なにをしているだろうか…
