少女のヴァンパイア


「じゃ…俺はフラン様の部屋にいるから、そこにきてね。」

ジャックはそう言って、

ラントと一緒に来た道を戻っていった。

しばらくして、

グレンはドアをノックした。

「ナイトレ夫妻、グレンです。」

「どうぞ」

返事はすぐに返ってきた。

グレンはドアを開けて、

中に入れる。

大きい部屋に用意されているベットに、

ナイトレ夫妻が並んで座っていた。

「お久し振りです」

グレンはふたりに頭を下げる。

「しばらく会わない間にもとのグレン君に戻っちゃった?」

キルギスがクスクス笑いながら言う。

口調は変わらないのに、

声は前より小さい。

それに、

とてもやつれているように見える。

「立っているのもなんだから、座って?」

キルギスは近くにある椅子を指差す。

グレンは素直に座った。

キルギスは優しく微笑んだ。

しかし、

隣にいるリーフは、

ただなにも考えていないように、

別の所を見ていた。