少女のヴァンパイア


「わかった。すぐにいく。」

ファイは頭をもう一度下げ、

一足先に部屋を出る。

グレンはまた溜め息をついた。

シュリーはその様子をちょこんと座り、

グレンを心配そうにみていた。

「グレン様、大丈夫ですか?」

シュリーが恐る恐る聞くと、

グレンはシュリーの頭を撫でる。

「あぁ。ちょっと行ってくるよ。」

グレンは立ち上がり、

扉へ向う。

シュリーは何故か無償に不安になる。

「無理しないで下さいね。」

とても小さい言葉だった。

だが、

グレンにはしっかり聞こえていた。

グレンはシュリーのほうをむいて、

優しく微笑む。

シュリーは思わず顔を赤くする。

そしてシュリーは

―…グレン様が帰ってくるまで、なにをしよう……

と思った。