少女のヴァンパイア


シュリーはなんだか悪いことをしたように思え、

ファイの顔色を伺う。

ファイは、

シュリーを応援するように、

にっこり笑った。

シュリーはファイが笑ってくれることに、

嬉しさを感じて、

顔いっぱいに笑顔を浮かべた。

「で、なんの用だ。」

グレンが聞くと、

ファイは視線をグレンにうつし、

頭を下げる。

「ジャック様がいらしておられます。」

グレンはそう聞いて、

綺麗な顔に眉を寄せる。

「内容は?」

「グレン様が来た時に言うと。」

グレンは溜め息をつく。

―…ジャックが内容を伝えないとは……
よほどのことだな。