少女のヴァンパイア


「今度はよく眠っていたね?」

耳元で囁かれて、

シュリーは顔を赤くする。

「は…はい。グレン様がいてくれたから、大丈夫でした。」

グレンは優しく微笑んで、

シュリーの額にキスをする。

シュリーの顔は益々赤くなって行く。

グレンはそんな姿さへ、

愛しく思う。

―…こんな気持ちは初めてだ。

グレンは心が温かくなって行くのを感じる。

―…グレン様がいてくれるのなら、大丈夫。

シュリーもまた、

幸せを感じる。

ふたりはしばらくお互いを見つめたまま、

微笑んだ。

そこへ―…

コンコン…ドアを叩く音がする。

「入れ」

グレンが言うと、

扉が開き、

ファイが入ってきた。

「失礼します。」

ファイは、

グレンに頭を下げる。

そして、

顔をあげた時、

シュリーと目があった。