少女のヴァンパイア


―…この人がいなくなってしまったら、どうなってしまうのだろ……
今この温かさに触れている分、
冷めてしまったら、
きっと恐ろしいことになる

とシュリーは思う。

それでも

今だけは―…

天にささやかな願いをする。

そして、

シュリーはグレンの腕の中で、

不安に駆られながらも、

一時の幸せを感じて、

目を閉じた。

シュリーが目を閉じた瞬間、

グレンが目を開ける。

そして、

眠ったシュリーの髪を撫でる。

シュリーは無意識に、

グレンの胸に顔を埋める。

グレンは優しく微笑む。

「まったく…可愛いお姫様だよ、シュリー。」

とシュリーの額に軽くキスを落とす。

次にシュリーが目を開けるとグレンと目があった。

グレンの吸い込まれそうな目にドキッとする。