少女のヴァンパイア


「ごめんなさい。」

シュリーは、

いつも以上に感じるだるさと、

また悪夢へと戻す為の眠気と、

戦っていた。

グレンはそんなシュリーに気付かず、

部屋を出ようと立ち上がる。

―…嫌。
行っては駄目。
置いて行かないで―…

シュリーが思ったのと、

同時にシュリーは

グレンの裾を握った。

「どうかしたのか?」

気付いたグレンは、

シュリーに優しく問い掛ける。

シュリーは、

自分のしてしまったことに驚き、

慌てて離した。

「ごめんなさい。」

シュリーがそう言うと、

グレンは

シュリーの頭を優しく撫でた。

「俺が側にいるから大丈夫だ。
悪夢なんか、俺が跳ね返してやるよ。
だから今は…
ゆっくりおやすみ。」

そしたらシュリーは、

呪文がかかったように寝た。

グレンもまた、

シュリーの横で寝てしまった。