さっきとなにも変わらないように見える。

…だが、

さっきと違うのは、

グレンがしっかりとシュリーの手を握っていることだった。




それからふたりは街の中を歩いていたが、

グレン目当ての女が集まって来て、

うるさくなったグレンは嫌な顔をした。

それに気付いたシュリーは、

「グレン様…今日は帰りましょうか。」

と優しく言った。

グレンは嫌な顔をしたのをシュリーに気付かれたのかと思い、

シュリーに聞いた。

シュリーは笑顔で首をふった。

「俺にまで遠慮するな。」

とまでグレンは言ったが、

シュリーは笑顔で首を振るだけだった。

「今日は楽しかったです。
だから
ちょっとはしゃぎすぎた見たいで……」

シュリーはグレンが申し訳なさそうに聞いてきたから、

わざと別のことを理由にした。