少女のヴァンパイア


周りにいる女の人たちも、

思わず顔を赤くする。

グレンはそんな視線を無視して、

シュリーを見ていた男をにらんだ。

睨まれた男達は、

いそいそとその場を立ち去る。

「グレン様?」

シュリーは

グレンが男達を睨んでいたことを知らず、

なにも話さなくなったグレンを不思議に思う。

「あっ…悪い」

シュリーに呼ばれて、

グレンは我にかえる。

ゆっくりシュリーから離れた。

「どうかしたんですか?」

とシュリーが心配そうにグレンの顔を覗き込むと、

グレンはいつもの無表情だった。

「なんでもない。」

グレンはそう言って、

シュリーに軽く微笑む。

シュリーは小さく、

「よかった。」

と呟くと歩き出したグレンについて言った。