少女のヴァンパイア


シュリーの顔は、

徐々に笑顔で満たされていく。

「あぁ。
でも、今日はもう遅い。
また今度だ。」

シュリーは思わずグレンに抱き付く。

「ありがとうございます。」

嬉しそうにはにかんで言うシュリーを見て、

グレンは愛しいと思う。

それからシュリーは

動物たちに挨拶して、

屋敷へ入っていった。




それから数日後―…

シュリーは約束通り、

街へ連れていってもらっていた。

街の人は、

この街の地主のグレンのことを知らないが、

グレンの容姿が目立って、

あらゆる人が振り返った。

男の場合は、

シュリー目当てなのだが……

その姿をみたグレンは、

何故か胸がムカムカするのを覚えた。

グレンは街の人達が、

見ているのにも関わらず、

シュリーを抱き寄せた。

「グレン様!?」

シュリーは突然のことに、顔を赤くした。