フランは
溜め息をついた。
「キルギスさんは、一度言ったら折れないでしょ?」
キルギスは
フランをみてニコッと微笑む。
フランは
グレンのもとへいくと、
グレンの名前を呼んで、
「今回のこの事件の罰として、お前にはしばらく人間界で暮らしてもらう。」
とグレンに言った。
聞こえは悪いが、
グレンを見つめる目は優しく、
キルギスの提案にも、
ちゃんと従っていた。
「ありがとうございます。」
グレンはフランに笑顔を見せる。
それはグレンが父に見せた、
久しぶりの笑顔だった。
「父様…」
グレンはフランに微笑みながら、
父の名をよんだ。
「どうした?」
フランも優しく答える。
「…ベルンに会いました。」
「そうか…よかった。」
グレンが久しぶりに感じた
家族との愛。
