少女のヴァンパイア


キルギスはそう言って、

フランの答えを聞かず、

グレンのもとへ歩いていった。

フランは黙って眺めているだけだった。

そして、

キルギスはグレンのもとへいくと、

優しくグレンに声を掛ける。

グレンはキルギスの声が聞こえると、

キルギスのほうを向く。

「キルギス=ナイトレ様……」

グレンは謎、

キルギスがここにいるか、

不思議に思ったが、

すぐに、

別にいいかと思い直した。

気分がとても気持ちよかった。

空気も

清々しい空も

暖かい太陽の光も

全て愛しく感じる。

だから……

「キルギスでいいわよ。」

と言うキルギスにも、

「わかりました。キルギスさん。」

と気持ちよく答えた。

少し前のグレンでは、

考えられないことだった。