少女のヴァンパイア


フランは、

そんなふたりを見て、

さっきまでいたはずの少女のことを考える。

突如現われた謎の少女。

あの位の子供なら倒れてしまいそうな闇に、

平然とたっていた。

そして、

キルギスでも入れないグレンの闇の中に

普通に入っていった。

普通ならありえない。

それに……

あの少女の瞳は、

キルギスと同じ澄んだ緑色だった。

髪の色は…

見覚えのあるマロン色。

フランはある人物を思い浮かべた。

だが、

すぐにその考えを振り切った。

ありえないこと。

そんなはずがあるわけない。

フランが相当考えこんでいたのか、

いつの間にか、

リーフがフランの隣りにたっていた。

フランは思いきって、

リーフに少女のことを聞いてみた。

リーフは、

少し考えこんでいるような表情をみせて、

フランを見る。