少女のヴァンパイア


そういったベルンの体を白い光が包む。

「ベルン…俺も大好きだよ。

俺達、双子には誰も敵わない。」

涙でボロボロなグレンの顔を、

ベルンは優しく包み込む。

「僕たちはふたりでひとつだ。」

グレンの体にベルンが入ってくるのがわかった。

冷めきったグレンの体が、

ベルンによって、

温かくなる。

グレンとベルンが一体になった時、

ふたりを覆う闇も消えた。

「あぁ。
俺達は最高の双子だ。」

グレンはそういって、

空を眺めた。




「どうやらあの子は、やってくれたみたいだね。」

闇が消えていき、

倒れた人、

闇に飲み込まれた人たちがみんなもとに戻っていく。

リーフは、

ぼんやりと……

でもどこか、

晴ればれとした表情をしているグレンを見た。

「ふふっ。そうね。」

キルギスもまた、

リーフの隣りにたって、

嬉しそうに言う。

「でもあの子は帰っちゃったみたいだ。」

「いいじゃない。
屋敷に帰ったら会えるわよ。
それに…今思ったんだけど、本当そっくりね。」

意味がありそうなことを言って、

ふたりは微笑む。