少女のヴァンパイア


ベルンが死んだ時、

グレンはあまりの悲しさに、

心を閉ざした。

グレンと一体になったベルンは、

これ以上グレンが悲しまないように、

グレンの抱える闇を、

自らの力で吸い込んだ。

だが、

それも限界がきた。

グレンの抱える闇が大きすぎて、

ベルンは遂にその闇に、

飲み込まれてしまった。

しかし、

爆発したグレンの怒りで、

闇が発散され、

ベルンはもとにもどれた。

そして…それは、

あの少女のおかげでもある。

あの少女が、

ベルンとグレンをわけなければ、

ベルンはグレンは、

今も会えないでいた。

少女には、

感謝しなければならない。

だが、

ベルンにはお礼を言う暇はなくなっていた。

ベルンは、

張り裂けそうになっている胸を押さえ、

グレンから一歩下がった。