少女のヴァンパイア


「…グレン兄さん……
貴方はどう思うかわかんないけど…
僕は会いたかった。
兄さんの目に僕を映して欲しかった。」

ベルンはそう言ってグレンを抱き締める。

「ベルン…俺も会いたかった。」

グレンもベルンを優しく抱き締め返した。

ベルンは子供のように、

声をあげてないた。

――本当は死にたくなんかなかった。

もっと生きたかった。

優しい双子の兄と。

自分の体が弱いことを悔やんだ。

だが、

どれほど悔やんでも

もう戻ることはできない。

だけど

昔、母様が言ってた

『双子はふたりでひとつだよ。』って

だから僕は

兄さんとひとつになれるなら…

それでもいい

そう思えたんだ。