少女のヴァンパイア


しばらくして、

ベルンはグレンと目線を合わせる。

「グレン兄さん……
僕たちは双子だよね。」

グレンはベルンを見つけながら頷く。

「当たり前じゃないか。
俺達はいつまでも一緒だよ?」

ベルンはそういったグレンを悲しそうな笑顔で、

今にも泣きそうな目で、

グレンを見つめる。

「……双子はね。
どちらかが死ぬとふたつがひとつに戻るんだよ。」

そういったベルンの目からは、

とまったはずの涙が、

溢れでてくる。

グレンは硬い表情で、

ベルンの肩を揺する。

「ベルン…そんなことを言わないで。
俺たちは双子なんだろ?
双子は離れては駄目なんだよ。」

グレンの目からも、

涙がポロポロとでてくる。


――いつも一緒にいて、

お互いの考えることは手に取るようにわかって、

どんなに怖いものでも、

ふたりでいれば怖くなかった。