少女のヴァンパイア


「あなたはいったい…誰なの?」

少女はもうひとりのグレンに聞く、

ふたりは少女を見た。

そして、

先に口を開いたのは、

グレンだった。

「なにを言ってるんだ?
こいつは俺の闇なんだろ?
さっき、君も言っていたじゃないか。」

少女はグレンの話を聞きながらも、

視線はもうひとりのグレンにむいていた。

もうひとりのグレンもまた、

少女をみていた。

「彼があなたの闇は確かだよ?
でもね?なにか違うの。」

と少女は言う。

少女はもうひとりのグレンに一歩近付く。

「さっき、ふたりが話している時…あなたは悲しそうな顔をしてた。
どうして?」

少女はもうひとりのグレンに問う。

「俺が悲しそうな顔?
それはないな。」

もうひとりのグレンが、

少女に否定する。

だが、

その目には焦りが浮かんでいるようにも見える。