少女のヴァンパイア


少女はそれをよけ、

自分もまた剣を取り出す。

剣は少女の瞳のように、

綺麗な緑色の剣だった。

もうひとりのグレンは、

剣をみて、

眉をひそめる。

「この空間は、俺の空間だ。
どうしてお前が剣を出せる?」

少女は笑顔を浮かべて、

首をかしげる。

「わかんない。」

その姿が益々もうひとりのグレンの勘にさわる。

もうひとりのグレンは少女に襲いかかる。

少女はそれを避けたり、

かわしたりする。

グレンは少女を見てあることに気付く。

「攻撃してない?」

もうひとりのグレンもそのことに気付き、

攻撃をやめる。

「どうして攻撃してこない!」

少女は悲しそうな顔をする。

「もし私があなたを倒しても意味がないもの。」

「意味がない?」

少女はグレンに顔をむける。

「彼はあなたの闇。
私が彼を倒してもあなたの中の闇は消えない。
そして…また新しい闇を生む。」

少女の瞳から、

涙があふれる。