少女はそんなグレンを見て、
とっさに口を手で軽く押さえる。
「ごめんなさい。
そんなつもりはなかったの。
ただ……あなたがおかしくて。」
その言葉にグレンは首をかしげる。
少女は微笑んでいた。
「だって…彼はあなたなんでしょ?
どうして逃げる必要があるの?」
グレンは思わず『なるほど』と思う。
だが、
すぐにこの前にいる少女は関係ないと思う。
「あいつは確かに俺の闇から作られた奴だが…
君にはなんの関係もない。
だから君は殺される前に逃げないといけない。」
「そんな顔も出来るんだ。」
と少女はグレンを見て、
小さく呟いた。
そして、
嬉しそうに微笑む。
