少女のヴァンパイア


「私は、普通のヴァンパイア…かな?
そうとも言えるし、違うとも言えるの。」

そういった少女は少し悲しそうにも見える。

「そうか…もし普通のヴァンパイアだとしたら、お前は今、ここで死ぬ。」

闇の中。

ここでもうひとりのグレンと戦うことになるのなら、

少女の勝ちは低い。

だが、

少女は笑顔だった。

「死ぬと言われて、恐れないのか?」

もうひとりのグレンが問う。

そうすると、

少女は首をかしげた。

「恐れる?どうして?」

「お前は今から俺に殺されるんだ。」

もうひとりのグレンは威厳のある声でいう。

普通のものなら、

失神したり、

気絶したりと変な行動を起こしそうな威圧感。

しかし、

少女はなにも感じていないみたいに、

普通だった。

それよりも、

この状況に置いて笑顔だった。