「さぁ…早くここをでよ?
あなたを待っている人たちがいるんだよ。」
"待っている人?"
もうひとりのグレンは、
焦っていた。
このままだと自分がグレンをせっかく乗っ取ったのに、
また逆戻りになってしまう。
もうひとりのグレンは、
すぐ近くにあった、
少女の首筋に、
牙を埋めた。
「うっ……」
少女は油断していたのか、
突然の苦痛に顔を歪めた。
もうひとりのグレンはこのままこの少女の血を全て飲もうとした。
だが…
"やめろ!"
グレンが叫ぶともうひとりのグレンは、
動きを止めた。
金縛りにあったように体が動かない。
その間に少女はもうひとりのグレンから逃れた。
そして、
少女はなにかつぶやくと、
グレンの腕を引っ張った。
そしたら、
グレンの体から何かがでてきた。
